ホメオスターシスを支える神経細胞達がシッカリと働くためには、
栄養と酸素を送り届ける「動脈」と、これらを使用することで生まれる老廃物の
回収を行う「静脈」があることは、前項でお伝えしたとおりです。
そこで・・・気がつかれた方もいらっしゃると思います。
・・・・アレ? リンパは??(*^_^*)
有りますとも♪
リンパ液やリンパ腫でおなじみの「リンパ」
でも、その実態は先生から説明がありませんよネ。
少し脱線しますがリンパについて簡単に触れておきますね。
◆血液とリンパ・・・基本形

【血管:細胞:リンパ】の関係を図にするとこんな感じです。

リンパの役割を簡単に申し上げると、
・免疫系・・・・炎症に関わる。
・解毒・・・・・・細胞から出てきた(血管で回収しきれない)異物や毒物の回収 です。
脳とそれ以外の組織では役割が異なるため、必ずしも同等ではないのですが、
脳においてリンパと似た様な働きをしているのが「脳脊髄液」と呼ばれる液体です。
脳の中に入り込むことが出来るたった2つの手段。
→ 一つは 血液、
→ もう一つは 脳脊髄液。
◆脳脊髄液について
ちょっとややこしいので、まずは図解からご覧ください♪
(構造の違いはありますが、シッポたちもこんな感じと思ってくださいね。)

脳脊髄液とは・・・・・・・
【脳内で作られる液体】
脳脊髄液は、第三脳室と第四脳室にある脈絡叢で作られる透明の液体で、
脈絡叢内の毛細血管を通る血液がその材料を供給します。

【脳と脊髄を循環する】
脳脊髄液は、脈絡叢脈の細胞から脳室内に分泌され、前頭葉→頭頂部→後頭葉を経て、
脊髄→仙骨→脊髄→脳 へと循環しています。
人の場合、脳内の脳脊髄液は130~180ml。
1日に2つの脈絡叢が作り出す量は500~700ml程度。
1日で3~4回入れ替わっているとされています。
【役割】
●脳の保護
脳は・・・非常に柔らかい組織のため、外側は頭蓋骨に守られているのですが、
内側も頭蓋骨によって傷が付かないよう「クッション代わりのお水」の中に浮かんでいます。
このお水が脳脊髄液です。(脊髄も脳脊髄液がクッション代わりをしています。)
幼少期に発見される水頭症は、脳脊髄液が脳内に溜まりすぎて起きる病気です。
●脳や神経細胞の働きを助けます。
脳や神経細胞を潤すことで、神経のスムーズな伝達を助けます。
そのため、脳脊髄液は絶えず綺麗な状態を保たなければなりません。
脈絡叢が沢山の脳脊髄液を常に作り出すことや、その頻繁な入れ替えは、
脳や神経活動を助ける働きがあります。
●リンパのような働き
神経細胞たちが放出する不要な物質を回収し、使い古した脳脊髄液と共に静脈に渡し、
最後は腎臓から排出します。
但し、脳・脊髄の場合、脳脊髄液そのものに免疫機能はありません。
こんな風に、脳脊髄液はホメオスターシスの重要な役割を担っています。
◆脳の働きや健康は・・・血液と脳脊髄液 に左右される!
脳や脊髄の「解毒と保護」ための脳脊髄も、心臓から送られてくる血液で出来ています。
心臓から届く血液に有害物質が含まれていれば、脳内の血液や脳脊髄液にも含まれてしまいます。
そのため、脳の組織はダメージを受けてしまいます。
これは、脳組織の中心となる神経細胞とそのお仕事(=情報伝達)も例外ではありません。
脳の病気・・・色々ありますよね?
ダメージを受けていなければ、罹患せずに済む病気が沢山有ります。
脳梗塞、脳溢血、脳腫瘍、脳髄膜炎、認知症、アルツハイマー・・・etc
神経症を含めばさらに増えます(T-T)
検査の手段が少ない分だけシッポたちの脳疾患はアバウトですが、
てんかん、ふらつき、ひきつけから認知症まで、
原因不明を含むこうした病名を言い渡されるシッポたちの数の多さを思えば、
脳や中枢神経が関わる症状。病気の多さは推して知るべしです。
重要な脳ですから、絶え間なく侵入してくる有害物質から保護するために
神様から特別に授かったバリヤ機能があります。
これが「通称:脳関門」です。
ところが、この脳関門も、実際は私たちが期待するほどパーフェクトではありません。
本当なら届いてはいけない物質を通してしまい、
大切な脳の細胞たちにキズが付いてしまうことも日常茶飯事><
このキズが常態化し、ダメージ箇所が広がると、
堤防の決壊のように付近の関門機構そのものが脆弱になります。
その結果、人もシッポ達も中枢ダメージを連想するような症状を引き起こしてしまいます。
大丈夫はありません。
絶対に脳関門を過信してはいけないのです。 ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィィ(゚Д゚ノ)ノ
正常な脳の働き・正しい神経伝達を生涯続けるために必要なバリア機能・・・脳関門。
ちょっと気になりますでしょう??
次の項では脳関門に繋がるお話を致します。